温度別に染色実験してみた
今回は真っ白毛束をハナヘナシャンプーで念入りに洗ったあとに
①約45度(人肌やや温め)
②約70℃(サロンの給湯器や電気ポッドから給湯したとき想定)
③約90℃(グラグラに沸いてすぐ計ったんですが案外すぐに温度は下がる)
でハーバルマホガニー5gをそれぞれ18mlで溶いて45分放置で染めます。
放置中は人頭を想定してスチーマーの上に放置。
カップの中は大体人肌くらいを維持してくれます。
実験目的はそれぞれの温度のお湯で溶いた時、インジカナーゼは失活するのかどうか
同時にナチュラルでは色素の元になるローソンが壊れないかどうかも見るためにマホガニーを選択しました。
・もしインジカナーゼもローソンも失活してないならどの毛束もきれいに染まる
・もしインジカナーゼは失活、ローソンは失活してないならオレンジに染まる
・もしインジカナーゼは失活せずローソンが失活しているなら藍色に染まる
・もしインジカナーゼもローソンも失活しているなら無色
のはずです。
ちなみにインジカナーゼというのはインディゴに含まれる酵素のことで、これがないとインディゴは染色・発色しません。
あとローソンというのはヘナに含まれる色素成分のことですね。
実験結果
45分人肌放置直後の3つの毛束
左から①,②,③ですね。
この時点では全くもって差がございません。
みんなイエローグリーン。
葉緑素の色ですな。
これから水分を含ませつつ丸一日おきます。
一日後(酸化発色後)
左から①,②,③です。
一個ずつ解説してきます。
①(約45度)の毛束
美しく染まっております。
ハーブマホガニーのお手本とも言える染まり具合。お見事。
次に飛ばして③(約90℃)の毛束
単品でみるとわかりにくいですね。
比較写真で見た方がいいかも。
薄ぼんやりしてるのがおわかりでしょうか。
実物見るともっとまだらです。ムラムラ。
そしてオレンジがちょっと出て来てるんですね。
熱湯(熱)によってタンパク質である酵素・インジカナーゼが失活してるんだと思われます。
あっさり100%失活してるとは限らない(短時間だしすぐ混ぜるから温度も下がるし)からまだら、っていう結果なのかなと。
2割しか入ってないハナヘナナチュラルが前に出てるってことはそういうことだと思います。
これで少々高めの温度ではハナヘナナチュラルは一応染まるというのがわかりました。
まあ高すぎるとローソンにもいい影響はないですね。
②(約70℃)の毛束
一応きれいに染まっております。
だがしかし。
右側の方が若干色違うでしょ?
これ多分ちょっと熱の影響でてるんでしょうね。
③と同じような感じが出てます。
なので70℃付近もちょっと危険です。
推奨しません。
まとめ
なんとなくお分かりいただけたでしょうか。
実は論文でこの実験あったんですよ(笑)
二つ目の論文の最後の方に書いてます。
一番いいのは30度付近だそうですが、若干冷たいので人肌くらいがベストみたい。
①粉を溶く温度は40度付近(混ぜたら人肌くらい)が好ましい。熱湯絶対禁止!
②溶いたらすぐに使うべし!作り置き厳禁です。
③塗るときは毛流れに逆らわない、ゴシゴシ塗りこまずに置くように塗るべし!
④放置時間は最大2時間。それ以上置くとハナヘナナチュラルが混ざってる場合はその色味が勝ってきて色がおかしくなります。
⑤流した直後のシャンプー、炭酸泉は禁止。発色するまでは色素は落ちやすい。
⑥その後はできるだけ水分多めで1日過ごすべし。ドライヤーでカンカンに乾かすと紫に発色する可能性がアップします。
となります。