ヘナで白髪を出来るだけ濃く染めたい時の白髪染めは、ヘナナチュラルで染める→インディゴで染めるの二度染めが推奨されます。
これはこの工程で染めるのが一番きれいに濃くしっかりと白髪を染めることができるから。きれいなダークブラウンになります。
これがほぼ100%白髪とはだれも思わないでしょう。
ただたまに質問があります。
・二度染めはナチュラル→インディゴじゃないとだめなの?
・ハーバルブラウン→ハーバルブラウンじゃだめなの?
・ハーバルマホガニー→ハーバルマホガニーじゃだめなの?
についてお答えします!
なぜ二度染めはナチュラル→インディゴの順なのか?
ハナヘナに限らず二度染めはナチュラル(ヘナ単品)→インディゴの順でおこなわれます。
どこのメーカーでもこれは共通。
これはこういうもんだ!って言われると素人さんは納得してくれますが普通のヘアカラーを扱う理美容師さんだとそうはいきません。
ふつうのヘアカラーの常識ではブラウンを同じところに2回するとより濃いブラウンになるのでハーバルブラウン2回した方がいいんじゃない?と考えます。
まあそれでも濃いブラウンにはなるんですが。
オレンジ→藍色なんてやらないわけですから、納得できませんよね(;^_^A
これを読めばインディゴがわかる!白髪を染めるインディゴ染めと布を染める藍染めの違いとは?
そもそもナチュラルの(ヘナの)色素成分ローソンとインディゴの色素成分インディゴ(ややこしい)の染まりの仕組みに関わってきます。
①ナチュラル→②インディゴそれぞれの工程で考えてみる
①ナチュラルは酸性領域でよく染まるので(このときの液は酸性)(水に溶かすと酸性になる)まずオレンジに染まります。
これはマイケル付加反応による(これ非常にややこしいので割愛、ケラチンと反応してくれます)。
それと同時にローソンと油分の作用で疎水性が強くなる(水をはじきやすいってこと)。
ローソンの構造式です。
②インディゴは上のリンク先に書いた工程で髪に染まるわけですが、このときイオン結合と疎水性相互作用によって繊維(この場合はナチュラルで染まった髪の毛)に染着(ここポイント)する。
髪や絹のような電気的にプラスとマイナスで帯電してるようなものにはイオン結合で引き寄せられて引っ付くのです。
そしてさらに疎水性相互作用、簡単にいうと水にはじかれたもの同士が集まってきて集合するって感じです。
インディゴの構造式ですね。
①で疎水性相互作用が強まっているのでより一層しっかりとインディゴが濃く染まるものと思われます。
そして①で髪全体に一様にヘナで染められてるので同じように一様にインディゴも広がるんでしょうね。
染まりムラもほぼなくきれいに染まりやすいのです。
とりあえずまとめ
色々ややこしいこと書きましたが、まとめますとヘナでしっかり染まっていると
・髪の毛が電気的に相性のいいヘナ(というかローソン)とインディゴがひっつきやすくなる
・ヘナの効果で疎水性(水をはじく、油とひっつく)が進んだ髪に、疎水性であるインディゴの色素がよりくっつきやすい
ということです。
ですので二度染めは大変理にかなったすぐれた白髪染めということになります。
一度染めではどうしてもぼかし程度の染まり具合なヘナ染めも、二度染めならケミカルな普通の白髪染めと同等以上の染まり具合。だから推奨されるわけです。
これを踏まえたうえで、ハーブブラウンやマホガニーの2回染めではだめなのかというお話です。
つづく…